「冷えの反射」という身体の反応があります。身体のどこかの部分に冷えを感じると、手足などの末端の毛細血管に行く血流を少なくし、体幹に血液を集めようとする身体反応です。
この反応はどこで判断されるかというと、「脳」の部分です。
冷えでお困りの方は、手足やお腹を温めたりすることもよろしいですが、より根本的にはこの「冷えの反射」という、脳が判断する反応を解除する必要があります。
そのために一番大切なことは、首の上部、頭のつけ根の部分のコリを柔らげて、温かい血流を脳に良く循環させるようにすることです。
この部分は、自律神経の緊張も表れる場所ですので、たいていの方が神経的なストレスも加わり、強度のコリを持っていらっしゃいます。
ご自分で行える方法は、
硬式テニスボールを寝床や居間に置いておいて、就寝前やテレビを見ている時など、仰向けで寝転がって手の平にボールを掴んで、右側の頭のつけ根は右側から当てる、左側は左手で当てる、という具合にしてコリをほぐす方法があります。
これは圧定という方法で、強い力を入れる必要はありません。ジワーッとしばらく(40秒~1分間)ボールを動かさずにコリの場所に当てていますと、筋肉が緩まってきます。
何故硬式テニスボールかといいますと、硬さが丁度良いからです。軟式ボールでは柔らか過ぎますし、ゴルフボールなどは、硬くて刺激的かもしれませんが、筋肉を痛め、あとで却ってコリを増してしまい、いつもマッサージしないと居られない状態になる場合がありますので。
この首の上部、頭のつけ根の筋肉のコリが柔らいで来ますと、それと同時にその場で、手足が暖かくなってくる反応を示すお客様もいらっしゃいます。
「冷えの反射」は、体のどこか一部でも冷えをキャッチしますと反応が起こってしまいます。
冬季の外出時の冷たい空気からは全身防寒され、夏場のオフィスでのエアコンの冷気などにはスカーフを巻いてカーディガンをはおってソックスをはく等、体の一部でも冷気にさらさないという点にもご注意ください。
他には、骨盤の歪みを矯正し、腹部の大動脈、大静脈の硬化部分をゆるめて、脚への血流循環を改善する。
身体を冷やす作用のある陰性の食物(白砂糖、南国の果物、コーヒー、ナスは極陰です、etc)の摂り過ぎを避け、陽性の食物(根菜類、果物でもリンゴは大丈夫です、生姜etc)を口にされる。
また時折ストレス発散のための気分転換を図られたり等々。
頭のつけ根のコリをほぐす「冷えの反射」の解除、と共に取り組まれてみてはと思います。